今週のマネジメント いつまで経っても成長しない人なんて存在するのか?

「伊東さん、私は新しくチェーン事業を始めたんですよ」

「どの会社よりも大きくして見せます!」

 

意気揚々とおっしゃったS社長に

 「ご決心されたきっかけは何ですか?」

と聞いてみたところ

 

それはやっぱり各社の現場の状況を見ると「まだまだチャンスがあるぞ」と思ったからです。

 「例えば接客面ではお勧め販売どころか、『いらっしゃいませ』さえ言えない企業が多いですし」

 「例えば売場は魅力的どころか『ただ並べました』というレベルの企業ばかりですから」

 「十分にリードしていける隙がたくさんあるじゃないか!」

と思ったからです。

 

私は、逆に不思議ですよ!

 「なぜこんな状態を各社は何年も放置できるのか?」

 「自分が経営者だったら絶対にそのままにしたくないですからね!」

 

 

さて、S社長がおっしゃるように人のマネジメント面に問題を抱えて

なかなか解決に至っていないままの企業は一体どのくらいあるのでしょうか?

 

私の周りには

 「どうしてこんなこともできないんだ?」

 「この状態でよく平気で家に帰れるなあ!」

と激高する経営者がいらっしゃいますが、

逆にその異常事態に慣れてしまって

 「店舗はそういうものだ」

 「他に手を打てるところから進めよう」

などと、問題点として重要視しなくなってしまった企業の方が多いです。

 

しかし、果たして

 誰かが本気でマネジメントした際

 何日も、何週間も、何カ月もいつまでも

 ・挨拶できない

 ・笑顔が出せない

 ・「いらっしゃいませ」をまともに言えない

 ・店内アナウンスを言えない

 ・お勧め販売ができない

 ・小走りに動けない

 ・売場づくりができない

 ・いつまでも発注を覚えられない

こんな人は本当に存在するのでしょうか?

 

かつて 当社のコンサルティングによって最終的に利益を倍増できたE社がありました。

E社は長らく 「誰もがいい加減」 状態だったのですが

見事に  「誰もが数字を出せる」 状態へと変わったのです。

 

E社のH社長は振りかえってこんなことをおっしゃいました。

 「今や、誰もが数字を取ろうと全力を出してくれるようになりましたけれど

 「あらためて気が付きましたよ。」

 「いままで私の目に、仕事に全力を出さない人間が映らなくなっていたことです。」

 

 「そのまま気経営していたら危なかった」

 「いち早く手が打てて本当に良かったですよ」

 

 

冒頭のS社長のように、初めて業界に参入しようとしている

客観的な視点を持っている方は「明らかに異常」と映る状態が

業界にどっぷり浸かり、長年、解決策を見出せていないとE社の昔のように

 「店舗はそういうものだ」

 「他に手を打てるところから進めよう」

と、妥協に妥協が重なってしまい、次第に経営者の目に映らなくなってきてしまうことがあります。

 

そしていつしか、そういった隙を狙ってライバル企業は次々と現れるようになり

会社の業績はライバル企業とあまり差を出せなくなり

差別化が困難となって埋もれてしまいかねません。

 

誰かが本気で誰かをマネジメントした時

本当に、いつまで経っても成長しない人なんて存在するのか?

 

この疑問が常に目に見えていなければ、稼げたであろう利益ばどんどん失われていきます。

 

逆にその異常事態に正面から向き合い

 「どうにか解決しなければ!」

と行動し、実現できた企業だけがE社のように利益を倍増していく事が可能です。