今週のマネジメント 人を自在に動かせる優れたリーダーばかり集まってくる組織に必ずあるモノとは?

トルコ南部のシリア国境近くで大地震が発生し、これまでに4万1000人以上の死亡が確認されています。多くの建物が倒壊したことから「違法建築」への批判が高まっているとのことです。

しかし政府が地震が起きる前に取り締まりを強化できたか?という視点で見た場合、それは疑問が浮かびます。もし実行しようと動いても「建築企業だけへのいじめが始まった」とか「今そんなことする必要あるの?」「無駄な税金を増やすな」などの声が挙がる事は避けられないからです。

それどころか「今度の行政のトップはズレてるんじゃないか?」という意見も出てきて、発案、号令を出したリーダーの地位までも危うくなる可能性もあります。

 

これを企業組織に置き換えた場合にどうなるのか?といいますと、トップが「事が起きてからでは遅い!」と号令をかけた時「ハイ!」と二つ返事ですぐに動いてくれる人もいれば、残念ながら「それ今やる必要あるの?」と懐疑的で動きが鈍い人も現れます。

ただ企業組織は行政とは違って「また我々の部署だけに対するいじめが始まった」「今それやる必要あるの?」という批判的な声が挙がる事はまずありません。

しかしその代わりに仕事の完成度は「まあ言われたからやりましたけど?」といったレベルになってしまい、後々になってから返ってくるのは、会社のトップにとって一番最悪な「悪い数値結果」です。

更に追い打ちされるがごとく、人材流出の危険性が出てきます。仕事に対して「手抜き」が横行してしまいますと、そのしわ寄せはお客様に、そして真面目でひたむきな従業員達が被ることになります。彼らは「うわ、ここも中途半端じゃないか、誰も気が付かないし、誰もやってくれない・・・また私がやるしかないか」といった状態となり、組織としては避けたい「真面目な人達だけがヘトヘト、手を抜く人達は天国」という状態に陥ってしまいます。

 

組織のリーダーにとって「事が起きる前にみんなで手を打っておく」が簡単に実現できる、に越したことはありません。できれば「今、そこまでやる必要あるの?」という懐疑的な人達も前向きに動いてもらいたいところです。

ただこういったマネジメントはそう簡単にできません。また何年~何十年苦労したところで「やっとそんなに組織できた」という経験の積み重ねによって得られる境地でもありません。

そんな「事が起きる前のマネジメント」という巨大で分厚い壁を前にして、どこから手を付けたらいいものか?と右往左往するリーダーの横にキラキラと輝くマネジメントが顔を出します。それは「事が起きてからのマネジメント」です。

それがどういうものかといいますと、事が起きてから「ほら、事前に言われたことをしないから痛い目に合っちゃったでしょ?」「だからちゃんとやろうね」などです。

このメリットは、マネジメントする側のバックに「事実」という強い味方がつくところにあります。

それは強力で、たとえ手抜き、怠慢が発生したとしてもすでに被害が出ているわけですから「何故君だけやらないのか?」とか「また同じような事になってもいいの?」など、「みんなで二度と繰り返さないようにがんばろうじゃないか!」という大義名分を掲げられます。これによってたとえマネジメントが苦手なリーダーが社内にいたとしても、さほど苦労せずとも簡単に人を動かせられます。

 

しかし、ここで忘れてはならないのは「組織のリーダーは何の為に人を動かすのか?」です。

単にやってもらいたい事があるのなら「事が起きてからのマネジメント」を繰り返せばいいわけですが、もし会社組織の目的が「業績を他社よりも上げていきたい」とか「収益性を上げていきたい」となれば話は別です

なぜなら簡単なマネジメントほど、どの企業もやれていて当たり前だからです。

よって「事が起きてからのマネジメント」だけでは会社の業績が他社よりも上回っていく事はありませんし、会社の収益性もどこかのレベルからそれ以上には上がっていきません。

キツイ言い方をすれば「事が起きてからしか人を動かせないリーダー」など成長していきたい会社にとってはお荷物なのです。

どの企業でもリーダーは他の人よりも手当てが厚い待遇となっているものですから、存在するだけで高い人件費がかかっている分、無駄です。

そもそも「人」であるなら一度痛い目を見たら誰もが「次は気を付けなきゃ」となるものです。不注意で骨折し、完治までに苦労した人が「また同じところを骨折してしまった」などそうそうならないように。

 

では「業績を他社よりも上げていきたい」とか「収益性を上げていきたい」と掲げている企業が欲する、真のリーダーとはどんな人なのか?

それは「事が起きる前に人を動かせる人」です。

 

しかしそう簡単ではありません。

いざそうしようと動き始めたらわかるもので「待てよ、このままだとできないぞ」と気が付き「事前に何か準備が必要になるな」となるものです。

この準備がうまくできる企業とできない企業の違いは業績差はもちろんのこと、その後にどんなリーダーがその企業に集まり、定着し、稼いでくれるか?も違ってきます。

事前準備をしっかりやりましょうという姿勢の企業には、やがていくつかの工夫が確立していきます。

そして各リーダーは「そうそうそう、人を動かす際にこれが要るんだよな~」

もしくは「あ~ そうか、これはこういう時に使うものだんだ。いや~先輩たちはさすがだな」と感じます。

逆にそんな工夫ができていない企業では「事が起きる前に人を動かしたいけど・・・何が必要だろうか?」と組織の数の分の迷いが生じ「もういいや、そんなことしていられない。まずは目の前の目標をクリアしないと」と工夫から逃げるリーダーもいれば、稀に「こんなのが要るんじゃないか」と気が付くリーダーもいます。

しかしそんなリーダーに待っているのは組織内の風当たりです。

「お前、この重大な局面に何ゴソゴソやってるんだ!」「まず動け!」と異端扱いされるでしょう。苦労してせっかく工夫が確立できるリーダーが現れても「そんなことしてるからダメなんだよ」「邪道だ」などという扱いを受ける確率は高いです。。

会社組織としてそういう目、方向性、視点がなければ過酷な環境下でオリジナルの解を見出せた優秀なリーダーは長続きしないものなのです。

 

自社にはどんなマネジメントが横行しているのか? 目を凝らしてみた時

 「事が起きる前のマネジメント」 が多くなってますか? それとも

 「事が起きてからのマネジメント」ばかりになってませんか?