今週のマネジメント ボロボロの店舗なのに、何故かお客様と良い人材が集まってくる。この謎をどう見るか?

「この店で働いたら?」

  「絶対イヤ!」

あるチェーン店で注文を待っていた、ある親子の会話でした。

 

その店は次々にお客様がいらっしゃって、とても繁盛している様子。

ところが残念な事に店内の雰囲気を一言で表現しますと、どんより。

店員同士がギスギスしているのは子供でもわかるくらいに皆険しい表情で、笑顔はどこにもありません。

その場の悪い空気を娘に感じてもらいたくなかったからか、父親が何とか冗談を捻り出した・・・そんな様子でした。

 

 「伊東さん、良い広告媒体はありませんか?」

私はチェーンビジネスに関わっている仕事柄、販促はもちろん求人も含めた効果的な広告が無いか、質問を受ける事があります。

私のお薦めの1つは 「店舗の雰囲気」 です。

 

広告は、どう表現しようか? 制作者がある程度コントロールできます。

その道のプロであれば、ターゲットに対して「この店を利用したい」「ここで働きたい!」などと、興味を引くことができるでしょう。

ただ、世の中には過度な表現がはびこっています。

「広告を見たら興味を引かれたが、実際に利用してみたらがっかりした」という事例もある為、見る人達の目も厳しくなっています。

よって、会社がいくら「本当なんです!」と表現しても、懐疑的な目で見られて、選択肢から外されることも少なくありません。

 

その点「店舗の雰囲気」は手を加える事ができません。

お客様や、働きたい人の目や耳には、店そのもの、100%真実の状態が入ってきます。

「店舗の雰囲気」が良ければ、宣伝効果はバツグンです。

最小のコストで最大の効果を得たい商売において、「使える一手」であることは間違いありません。

ただし逆もあり得ます。

せっかく「この会社で働きたい」となってくれた人が、どんな店舗なのか?と、やってきてくれたのに、悪い状態が目に入ってきたとしたら・・・?

社長の思いもよらないところで、見えない損失が発生し続けてしまっているかもしれません。

 

さて、そんな「店舗の雰囲気」について、チェーン事業を営んでいる社長には、こんな「違い」を目の当たりにすることがあります。

同じブランドの店舗なのに「雰囲気が良く、良い人材も集まってくる店」と「雰囲気が悪く、人が集まってこない店」

 

ここで質問です。

社長はこの違いをどう見ていますか?

 

多いのはこんな見方です。

 「店自体の業績が良ければ、良い人材も集まってくる」

 「リーダーシップがある店長を据えれば、良い人材も集まってくる」

 

確かにそうかもしれません。

しかし・・・本当にそうなのでしょうか?

 

ではもう一つ質問です。

御社にはこんな店舗はありませんか?

 ・業績は好調。しかし従業員はギスギス。応募も少なく、常に人手不足

 ・業績は良くない。しかし従業員はイキイキ。働きたい人の応募が多数

 

私が言いたいことは、単に店舗の雰囲気と売上と求人の因果関係を調査しましょう、ではありません。

重要なのは、チェーンビジネスの社長は「人」のプロとして、「人」についての分析をどこまで進めていますか? ということです。

 

チェーンビジネスを営んでいる企業は「人」が重要です。

人のエネルギーで業績を上げていこうとしているのであれば、「人」については他のどのビジネスよりも詳しく、たとえ小さな謎でも、そして謎がいくつあっても、すでに「分析しつくしているよ」となっていて当たり前なのです。

 

例えば、ざる蕎麦と鍋焼きうどん

どんな時に、どちらが多く売れるのか?

これはその道のプロでなくても、わかるはずです。

 

しかし、スパゲティと焼きそば となったらいかがでしょうか?

どんな時に、どちらが売れるのか?

 

一般の人であれば「う~ん・・・どっちがどうなんだろう」となってしまうでしょう。

しかしその道のプロであれば話は違います。

 「それは〇〇な条件の時なら、スパゲティの方が需要が高まりますよ」

 「なぜなら■■だから」

 「焼きそばはと言いますと・・・」

などなど、多くの情報が次から次へと出てきます。

それを素人から見ると

 「そうなんだ~」 「さすがですね」

と評価してくれる人もいれば、

 「うわ~ そこまで分析しちゃってどうすんの?」「引くわ」「どうでもいいんだけど」「聞きたくもない」

などと、距離を置かれたりもします。

 

つまり「人」が重要であるチェーンビジネス企業であれば、なぜ同じブランドの店舗なのに、お客様と良い人材が集まってくる店と、そうでない店の差が出てくるのか? という謎に対して

 「その原因は〇〇です」

 「なぜなら・・・だから」

 「仮にそれが成立してないとしたら、資本力の無いチェーンは衰退し、大手チェーンばかりが繁栄してしまうことになってしまいます」

 「実際にそうなっていないのが証拠です」

などと、分析しつくされているはずなのです。

 

そして、それを素人が見たり、聞いたりしたら

 「そうなんだ~」 「さすがですね」

と評価してくれる人もいれば、

 「うわ~ そこまで分析しちゃってどうすんの?」「引くわ」「どうでもいいんだけど」「聞きたくもない」

などと、距離を置かれたり。

 

御社がチェーンビジネスを営んでいるとしたら、そして社長が「人」が重要としていたとしたら、そうなっているでしょうか?

 

ではその分析が済んでいない企業はどうなってしまうのでしょうか?

 

多いのは

 「店長にリーダーシップが無いからだ」

 「地域性が悪いから人が集まらないんだ」

など、人それぞれの直感の決めつけです。

社内の意見はまとまりがありません。

いつまでも全員の力を結束したエネルギーを発揮することもできず、ネクストステージにも進んでいけません。

 

なぜ、人の分析が済んでいないと成長していけないのか?

 

それは、こんな企業と変わらないからです。

 「商品が売れないのは、客が悪いからだ」

 「うちのサービスが売れないのは立地が問題なんだよ、こんなとこに店建てるなよ」

貴方は、こんなスタンスの企業が「伸びていける」と言えますか?

 

自社の商品やサービスが売れていなかった場合、人のせいにしたまま成長していける企業など存在しません。

成長している企業は必ず

 「何故売れないんだ?」

 「売る時間を間違ってたんじゃないのか?」

 「ターゲット客層がズレていたのでは?」

 「いや天気じゃないか?」

 「それなら気温も考慮すべきだろ?」

 「味が悪いからだ」

 「いやいや材料、構成がおかしいからだ」

などをあらゆる角度から、これでもか! もう勘弁してくれ! となってしまうほど分析しつくし、対策をうっています。

 

だからこそ

「そうか、そういうことか!」

と、謎が1つ1つ判明していき、やがて
 
 「さすが〇〇社だ、ここまでつきつめているとは・・・」
 
とお客様から次々に支持を得られ、業績を上げていけるのです。

 

チェーンジビネスにとって「人」はとても重要です。

従業員はもちろん、社長はその道のプロ、つまり「人のプロ」です。

御社は、「人」つまりマネジメント面の数々の謎について、どう向き合っていますか?

 

 

今回挙げた謎はいくつかありました。

鋭い社長は、その中の1つの

 ・業績は良くない。しかし従業員はイキイキ。働きたい人の応募が多数

これに「おっ」と、反応を示されたのではないでしょうか?

 

チェーンビジネスのマネジメント面には、謎がいくつも潜んでいます。

一見「謎が多すぎてうんざり」

となってしまうかもしれません。

 

しかし、その謎の中には、他社と大きく差を付けられる「チャンス」もいくつも眠っているのです。

その謎を解き明かし、次に会社を飛躍させられるのは、このコラムをご覧の社長、貴方なのです。