今週のマネジメント 第524号 指導方法を変えて収益UP。店舗ビジネス企業E社の事例

 「根本を変えられるのは社長だけだと思ってましたから」

収益率を倍以上に変えられた、ある新社長がおっしゃいました。

 

それまで会社が抱えていた課題は「皆よく動くけど利益が少ない」

 

取っていた方針は

 「人だ」

 「人は我が社がNO1だ」

 

ではそれが空振りしてたのかと言われますと、そうともいい切れませんでした。

 

なぜなら社長からの檄が飛び、鼓舞される度に社員やスタッフ達も「はい」「やるぞ!」といった反応は強かったからで、時には業界最短の期間で新規出店を果たし軌道にのせられるなど、多くの社員やスタッフ達の協力が得られなければ実現できないこともやってのけていたからです。

 

なぜ利益が上がっていかないのか。

 

会社はそんな問題を抱えたまま社長の交代がなされ、新たな社長として先代の息子であるRさんが就くことになりました。

 

 「Rさんに先代の代わりが務まるのか?」

 

社内ではそんな不安がちらほら囁かれていたのですが、新社長は就任後、攻めの経営を実行し続けて会社の収益性を倍以上に上げるという結果を出し自らの実力を証明してみせたのです。

 

何をしたのか。

 

一言で言えば「会社の方針を変えた」です。

 

今までは「動いてくれる人を見つけよう」
その後は「動いてくれる人を増やしていこう」

 

R社長が問題だと見ていたのは

 ・動かないベテラン社員

 ・動かないベテランスタッフ達

の存在でした。

 

今までは、いくら社内に

 「やるぞ!」

と奮起した人達が現れたとしても、動かないベテラン達だけは

 「また会社がおかしなことを言い出した」

といったスタンス。

自分には関係無いと、まるで他人事のように捉えられていたのです。

 

つまり今までの社内の問題とは、経営陣が鼓舞しても、熱くなっていたのは一部の社員やスタッフのみで、ベテラン達は動かず、それが会社が収益性を上げていけない原因となっていたということです。

 

さてここで

 「そんなもんじゃないの?」

 「どの会社もそういう事はあるんだから」

と見る方もいらっしゃるでしょうか。

 

確かに新人とベテランの意識の差はこのE社だけに限った問題ではありません。

 

しかし危ないのは、店舗型のビジネスにおいてはこれが経営の大きな障害になるということです。

 

店舗は大抵、本部、社長達経営陣の目の届かないところに存在します。

 
そのため少数とはいえ

 「あの先輩が会社の指示を無視している」

となっていると

 「じゃあ私も」

など、手抜き、怠慢は伝染りやすい性質を持っています。

 

しかしE社の先代の社長はその問題を見抜けていなかったのかとなりますが、そういうわけではありませんでした。

 

なぜ見抜けてはいたのに収益性が悪かったのか。

 

その理由とは

 「どうしたらベテラン勢を動かせるのか」

を解決することができていなかったからです。

 

その後会社は「動いてくれないベテラン勢は見て見ぬふり」をしていました。

 

とっていた姿勢は

 「動いてくれる人達だけで頑張ろう」

 「そうすれば、動いてくれないベテラン勢はやがて肩身が狭くなっていって、いずれいなくなってくれるに違いない」

 

しかし現実はうまくいかなかったのです。

 

なぜなら

 ・ベテラン勢が手を抜いていても会社からは何もお咎めがありません

 ・給料は上がらないものの普通に貰えます

 ・もともとやる気が無かったから、いまさら肩身が狭くなろうが気にされない

などだったからです。

 

ここで気をつけなければならないのは、ビジネスとはいわば人と人とのグループワークということ。

 

誰かが手を抜いたら必ずそのしわ寄せは誰かの負担となってしまいます。

 

はたして、その負担を被ってしまうのはどんな人達になるのでしょうか。

 

 

ベテラン達が動かなかった分の負担を被り、やがては会社を去っていってしまう人達。

新社長のRさんは、社員時代にそんな仲間達を何人も目にしてきていました。

 

 「この人の問題をどうにかしなければ」

 

ずっと解決策を考えていたRさんは、ある日

 「会社をこんな形に変えたらうまくいくのでは?」

自分のアイディアを形にしてみたのです。

 

そしてそれをある部署のリーダーの時に実施してみました

結果はうまくいくどころか悪化。

裏目に出てしまったのです。

 

 「どこに問題があったのか」

Rさんは弊社ピアーズにお越しいただきました。

 
そこで私は問題点をアドバイスすることとなりました。

 

その後、Rさんが作り上げたのは

 「どんなに動かなかったベテラン達も動かせるようになる仕組み」

 

それはとても良い結果を出すことになりました。

 

社内では

 「あの石頭の◯◯さんが先頭に立って動いている」

 「一体何があったのか」

 

 「凄い」

 「私達ももっと頑張らなければ」

となっていったのです。

 

 

これは何もE社だけに限った事例ではありません。

 

「動いてくれない人」は見て見ぬふりをしたまま。

言ったらすぐ「動いてくれる人」だけでやっていこう。

そんな企業は多いです。

 

どうしたら「もともと動いてくれない人達」が「動いてくれる人」になるのか。

 

店舗型のビジネスにおいて、人の力で業績を上げていきたいのであれば、これは避けては通れない課題と言えるのではないでしょうか。