今週のマネジメント 「社長が動くときはクビの時だけ」の効果
連日ロシアのウクライナ侵攻の報道ばかりです。
あの巨大国家は兵士をどうやってマネジメントしてるのか?
もしかしてかつて誰もが想像もつかなかった凄い方法があるのかもしれないと調べてみたところ、大統領の言動に否定的な人達は行方が分からなくなるとのこと・・・
まるでどこかの国と全く同じで参考にできるところがありませんでした。
企業経営にはどうしても会社の方針に沿って動いてくれない社員やスタッフは必ず現れるものです。各経営者はそんな人達をどうマネジメントしたら、彼らは本気を出し、結果を出し続けてくれるようになるのか?
よくある方法は「キミのところの部下は何やってんだ」「どういう指導してるのかね?」などの直属上司への一任。社長は「私が直に動いたらクビの時しかないんだよ」
ねらいとしては「そうなっては大変だ」と普段から幹部や各リーダーは「社長が動かないよう、私達が普段からきちんと社員、スタッフの教育をしておかなければ」と緊張感を持ってマネジメントしてくれること。
この方法のメリットは会社のことを真剣に考えてくれる人達はなんとしてでもと、あの手この手を考えては動いてを繰り返し成長してくれるところです。
しかも特に前準備も必要ありません。ただ「言えばいいだけ」ですぐに実行できます。
しかしデメリットは「食っていければそれでいい」と会社自体に愛情が無い方々にとってはまるで「自分は悪くない。全て部下が悪いんです」と言わんばかりにマネジメントを諦めてしまわれるところです。
その結果、よくあるのは「ある地方で大きなトラブルが発生した」その原因を探ってみたら素行に問題のある社員、スタッフが長い間放任されていたからなどで、問題が明るみに出ないまま陰でくすぶり続け、企業の利益を知らない間に蝕み続けられていってたなどです。
T社はまさにその状態から問題が発展していったケースでした。
ある日社長から「伊東さん、クビにしたい時うまい方法はありませんか?」
「どうしたんですか?」詳しくお聞きしてみたところ
どうにも手を焼くスタッフがいまして・・・
そのスタッフ当人は抗戦する気満々。
会社が法に触れるやり方をしようものなら、こっちだって出るとこ出るぞとほのめかされる始末。まさにやれるもんならやってみな状態で完全にヘソを曲げてしまっていました。
普通であれば相談された方は「うまいクビの方法」でお手伝いするのでしょうか。
しかし私はその逆で「その人には会社に残って、活躍してもらってはいかがですか?」
なぜ私がそんな提案をしたのかといいますと「人より稼げる人ほど、過去に周りの人から理解されず、さんざん変人扱いされてきた方が多いから」です。
かっこよく言えば「誰もが光ってるモノをもってるんですよ」なのですが、私もいち経営者ですから名より実です。名で企業存続はできませんので実を推した表現です。
社長にはどうやって進めたらよいのか?ご紹介しましたが、端的に言いますと「あらゆるマネジメントに社長が簡単に関われる仕組み」を作り上げることです。
ただ勘違いされやすいのは社長が必ず関わらなければならない仕組みで、社長ルーティンが増えるというわけではありません。
社長は関わりたい時に関われる仕組みであることがベストです。
社員、スタッフとしてはあらゆるマネジメントに社長が関わってくる可能性を常に感じるようになりますから、今までと違って上司との一対一の閉鎖的な空間だからと捉えられて
「私の上司は変だからしょうがないじゃないか」という開き直りも通用しませんし、一方の上司もいい加減なマネジメントをしてしまっては「君の言い方はどうなんだ?」と更なる上層部に言われかねません。このような仕組みを構築することで風通しの良いマネジメントが構築できていけるわけです。
ただ、この仕組みは上手に創れなければマネジメントに社長が関わっておきながら失敗したという形になってしまいますので、場合によっては「この会社も社長も大したことないな」と思われてしまうかもしれませんし、当人に近い人達へも「へえ そんなことがあったの?」と伝播していくこともあり得ます。
大きな成果を生み出すには、リスクは常に隣に来てしまうもの。
「そんな危ない橋が渡れるか」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかしその先には会社のマネジメント面にいちいち手を加えずとも、勝手に誰もが経営方針通りに成長してくれるようになり「私はこうしてみました」のチャレンジは日々生まれ続けるようになる未来があります。
そもそもなぜ人はヘソを曲げてしまうのでしょうか?
私は「自分には他の人に理解されづらい強みがあるから」と捉えています。
強みが無ければヘソさえ曲げることができず、ただただ言われたことを遂行する生産性の低いロボットと一緒です。
ヘソを曲げる人ほど稼げる。これは私の理論です。
この社員、スタッフの強みの正体は一体何なのか?
経営方針に沿って力を発揮してくれるには何が必要なのか?
会社の成すべき事はそのお手伝いです。「君は要る、要らない」のジャッジをしている企業に大きく差をつけ躍進していく事ができます。