今週のマネジメント できる人が社内に増えず、一定数止まりになる謎とは?

 「従業員がいつまでもおんぶに抱っこ状態で困ってます」

ある経営者が胸の内を明かしてくれました。

 

多店舗型ビジネスにおいて業績を上げていくには、どの社長にも同じ壁がたちはだかります。
それは 「できる人が増えていかず、常に一定数止まりになってしまう」 です。

 

社長はどのようなルートを辿って、その壁に行き着き、突破口が無いか?と立ち止まってはまた戻ってきてしまうのか?

 

一例をご紹介しますと以下です。

 ・慢性的な人手不足で、幹部達がワーカーとなってしまっている

 ・まずは人手不足状態から脱したい

 ・しかし求人をかけてもコストに見合わない成果が続いている

 ・新たに人を増やすことは難しい

 ★ならば、今いる人材で魅力的な店づくりが実現しよう。そうすればお店自体が求人の広告塔となるはず

 ★その為には、誰もが本気を出し続けてくれる、できる人が増えていくようにしなければならない

 ★うまくいけば「この会社、この店は働き甲斐がありそう」と、できる人材が更に集まっていくだろう

 ■しかし、なかなかうまくいかない

 ・本気を出してもらえるどころか、多くの従業員が会社や店長に頼ってばかりのおんぶに抱っこ状態

 ・だからといって厳しくしてしまうと辞められるかもしれない

 ・どうするべきか?思案している間にも、会社や店長に甘えるおんぶに抱っこが加速

 ・ますます「できていない状態が目立つ店舗」が増加

 ・外部から見られるとひどい店舗

 ・更に人手不足状態に陥る

 

「この流れのどこかに、できる人が増え続けていく企業になる為の突破口があるのではないか?」

 

当社にお越しになられる社長の多くは★の部分に目を付けられた方ばかりです。
幸いな事に、当社がお手伝いし、独自の仕組みを確立された社長は■に戻ることはありません。

 

働く誰からも本気を引き出せるマネジメントの仕組みが構築、実装され、
店舗の業績、状態はみるみる良くなっていき、倍以上の利益が出し続けられるようになり、

中には求人コストを一切かけずとも「働きたい人待ちになっている」というクライアントも存在します。

 

一方、なぜ★に目を付けた鋭い社長でも、改善の一手が不発続きで■に戻ってしまい、
できる人が増えていかず、人手不足のループに陥ってしまうケースがあるのか?

 

 

その原因を1つ挙げますとそれは「社長がうつ手に、ある要素が欠けている」です。

  

ここで★に目を付けた社長に、私から一つ質問があります。 

 「社長がうった手に『独自性』は盛り込まれていますか?」

 

結論から先に述べますと、

 「多店舗型ビジネスにおいて、できる人を増やしていくには、自社独自の方針に合ったマネジメントの形を構築する必要があるから」

です。

 

単に

  「御社のマネジメントの形に独自性はありますか?」

と質問しただけですと

 「あるに決まってる」

 「自社で創ったんだから」

という反応が返ってくることでしょう。

 

しかし、本当に貴社のマネジメントは

 「他社には無い、自社オンリーの形になっている」

と言える、独自性は含まれているのでしょうか?

 

私がつい、そう疑ってしまう理由は

 「自社のマネジメントの形は、自社で考えて創り上げたものだ!」

と社長がそうおっしゃってはいても、実際には、その創り上げるプロセスにおいて

 「それは・・・オリジナルとは言えないのでは・・・?」

と、疑問を感じてしまうケースが多いからです。

 

多くの企業が他社のマネになってしまっている例をいくつか挙げてみますと

 ・店舗には店長が必ず社員で一人据えなければならない

 ・ある程度の規模なら副店長も必要だ

 ・エリアごとに責任者、統率役が要るよね

 ・だとしたら彼らはベテランであるべきだ

 ・店舗はオペレーション部門として、あとは商品部や出店部門、IT部門も必要となるね

 ・店長会議は月一にして、社長講和を冒頭に持ってこよう

 ・情報共有の手段はグループウェアを利用しよう

など

 

私は「このような形にしてはいけない」と言いたいわけではありません。

ただ、これらの例のどこに「独自性がある」と言えるのでしょうか?

 

例えば当社のクライアントには、複数店見れる店長が当り前となっている企業もあります。

これは店舗に店長は一人必要という概念自体に

 「本当にそうなのか?」

 「社員一人が何店も見る形はどうなんだ?」

などと、疑問を抱いたからこそ実現できたことです。

 

問題なのは、多くの多店舗型ビジネス企業がマネジメントの形を創り上げていく過程において

 「他社がこうなっているから」

 「大手OBの意見を参考にして」

そんな「まがい物要素」や「よそ者のDNA」を知らず知らずに自社に混入してしまっていることです。

 

どこにでもあるようなマネジメントの形ばかりでは、従業員達は

 「この会社だからこそ、長く続けたい」

とはなってくれません。

当然、できる人も増えていく事はありません。

 

一方、自社のマネジメントの形が、独自性に基づいていて、他社を圧倒する業績を出し続けられている企業では、社員や従業員が以下のように感じてくれています。

 「不思議だ・・・つい『もっともっと頑張ろう』となってしまう」

 「結果を出したくてしょうがない」

 「これを終えるまでは家に帰りたくないぞ」

 

 「こんなにやりがいのある仕事ばかりできるのはうちの会社だけじゃないか?」

 「きっと、どの会社もこんな事はしていないだろうね」

 「この会社で働けてて良かった」

 

 

私が常に発信していること、それは

 多店舗型ビジネス企業は、自社のマネジメント体制を構築していく際に、独自性を盛り込むべきである

 

他社をマネするのは簡単です。

なぜなら、社長以外の誰もが賛成してくれるからです。

  「こうしたら良いのでは?」

 

  「確かにそうですね」

  「だってあの大手もやってるんでしょ?」

  「他社もそんな感じですからね」

  「いいんじゃないですか?」

 

しかし、「できる人を増やしていきたい」と願う社長には反対される、という困難が待ち受けています。

 「こうしたら良いのでは?」

 

 「いや、それはおかしい」

 「そんなの見たことも、聞いたことも無い」

 「社長が暴走し始めたぞ」

 「なぜわざわざ危ない橋を渡る必要があるのか?」

 

 

ここで見つめ直してみて欲しいポイントがあります。

 「大手企業はどんな時代に業績を上げてこれたのか?」

 

 

どこの大手も令和に設立されたような若い企業ではありません。

長い歴史があり、昭和のバブル期を乗り越えてきた企業がほとんどです。

 

当時は強烈な売り手市場でした。

今と違って

 「嫌ならやめろ」

 「お前の代わりなんかいくらでもいる」

が当り前だったのです。

 

果たして、そんな今とは全く違う時代をくぐり抜けて来た大手や他社のマネジメントをマネして、できる人を増やしていけるのでしょうか?

 

 

私の今年の願い。それは

 「できる人を増やしていきたい」と願う社長が多くなって欲しい。

 

熱い想いを抱いている社長が、自社オリジナルのマネジメントの形を創り上げられ、

従業員達には

 「こんなにやりがいのあるのは、うちの会社だけじゃないか?」

と感じてもらえ、人が集まり、業績が上がっていく。

そんな善循環を手に入れられる企業が増えていってほしいことです。