今週のマネジメント 社長がやりたかった仕事は取引先に対しての点数稼ぎですか?

 「この取引先からの依頼に全力を注げば、きっと大きな見返りがあるはず・・・」

 「高いコストと時間を捧げ続けて、気が付いたら、ん十年ですよ」

ある社長が過去を振り返っておっしゃいました。

 

ここでコラムをご覧の社長に質問です。

Q:社長が元々やりたかった仕事は何でしょうか?

 

もしかしたら、いつの間にかやりたかった事ではなく「取引先企業に対しての点数稼ぎ」ばかりになってしまっていませんか?

 

多店舗型ビジネスにおいて、会社の利益をそれまでの倍以上にできた企業があります。

当社もお手伝いしたそんな企業の社長には、それぞれ共通している点があります。

それは「えっ」と世間を驚かせる自社の主張を掲げられている、です。

 

ある社長の主張を紹介しますと

 「実力も無いのに、気にいられた人ほどのし上がっていける組織にウンザリだった」

 「そんな事を繰り返していては、いつかダメになる」

  
 「だから私は起業した」

 「個々の実力が結果に繋がる会社を創りたい」

です。

 

この主張には、リスクがあります。

もしも声高に掲げてしまったら、先輩達から

 「とんでもないヤツが現れたぞ」

 「こんなおかしなヤツは放っておこうぜ」

などと、反感や腫物扱いを受けていたかもしれません。

もしかしたら、袋叩きにあうこともあり得ます。

 

しかし、組織を束ねるリーダーとは、このような

 「今まで存在しなかった主張を掲げている方」

ほど、また

 「多くの敵を創ってしまいかねない主張」

ほど、組織の力強いまとまりを実現されています。

 

誰もが本気を出したくなり、大きな結果を出していける組織を築き上げるには、リーダーの強い主張は必須なのです。

 

しかし、問題なのは主張を掲げた時にちょっかいを出してくる反対派と、どう向き合うか?です。

 

外国でメインの事業をされている社長がおっしゃいました。

 「アメリカでは努力している人がいれば周りが応援してくれる」

 「しかし日本は足を引っ張られる」

 

残念ながら、足を引っ張ってくる人や企業は必ずと言っていいほど現れます。

その結果

 「私は間違っていたのだろうか?」

 「もうおとなしくしていようか・・・」

 「周囲に足並みを揃えてたほうが楽かもしれない」

となったり、

 「我が社は〇〇社のおかげでやっていけている」

 「皆さん、〇〇社さんの言う事には素直に従いなさい」

となることもあるでしょう。

 

ただ、ここで思い返していただきたいことがあります。

それは

 組織のトップとはどういう存在なのか?

です。

 

私、伊東の主張は

 会社組織のトップが、他社や他人の意見を支持しなければならない理由など無い!

 

成長を望む社長に必要なのは、

 自らの主張を掲げても、誰にも足を引っ張られる事が無くなるほど、社長にしか扱えない強力な武器

です。

 

この武器さえあれば、自力で業績を上げていく事が可能です。

他社や他人に依存したり、応援し続ける必要もありません。

 

実際に、社長にしか扱えない武器で、日々結果を出し続けられている企業は

 「〇〇社長の会社はなぜ、良い結果を出し続けられているのか?」

 「あの企業の秘密を暴き、ぜひ我が社にも取り入れたい」

と、周囲から注目され、手を貸して下さいという依頼が絶えません。

 

 

私は社長は他社や他人に依存するなとか、支持、賛同する側にまわってはいけないなど、強制をしたいわけではありません。

そういった経営も1つの手段です。

 

ただ、問いたいのは

 「貴方はなぜ会社組織のトップの社長になったのですか?」

 「社長という孤高の立場に、魅力を感じたからではないでしょうか?」

 

支持する、賛同する、点数稼ぎをする。

こういった行為は組織のリーダーにとって「必須」ではありません。

 

組織のトップとは、誰かに雇われているわけではないのです。

自らの主張を高らかに掲げ、皆を力強く導くことができる存在なのです。

 

そんな社長を日々、見ている社員やスタッフ達はこう考えています。

 「うちの社長こそ最強」

 「私もあの人のようになりたい」

 「社長はやがて世界を引っ張っていくリーダーになる人だ」

 

 

貴方の手には強力な武器が握られているでしょうか?

そしてその武器を手にしつつ「こうあるべきだ」という主張が掲げられているでしょうか?