今週のマネジメント 第475号 ここで働きたい。選ばれる会社の社長が気にしていること

「社長、できたスタッフさんがいらっしゃいますね」
「今、人手不足なのに、どこで見つけたんですか?」
ある社長が、この質問にお応えになりました。
「身内です」
人手不足の今、社員やスタッフはとても貴重な存在です。
最近よく耳にするマネジメントは
・ストレスを与えないように気を配っている
・大変な仕事はお願いしない
・優しく接している
など。
しかし気をつけなければならないのは、これらはあくまで人を減らさない方法だということ。
商売もそうですが、現状維持策ばかりうっていては成長していくことができません。
必要なのは、新たなお客様を増やす前進のための一手です。
会社のマネジメント面も同じで、成長していくには、
「この会社で働きたい」という人を増やす前進のための一手が必要です。
今週のコラムは「実際に人が集まってくる企業」
その会社の社長は、何を気にしているのか?をご紹介します。
結論から言いますと、それは
社員やスタッフ達が今、何を欲しているのか?
商売はいかにお客様に自社の商品、サービスを選んでもらい買っていただくか?ですが、そう簡単ではありません。
それはお客様が今、何を欲しているのかがわからないからです。
これはお客様に直接質問してわかるものでもありません。
例えばランチ。
あなたがお昼前に「今日は何を食べようか」と考える場合、
●●店の■■■■にしよう、などと決めていく方が多いでしょうか?
それよりも、とりあえずお店に入って、いざ注文時に「どれにしようかな〜」と選ぶのではないでしょうか?
お客様のニーズは、お客様ご自身でハッキリ認識されていることは少ないです。
よって、お客様が欲しがっているものを直接聞いてから「はいできました」と言って売るというビジネスモデルでは、業績を大きく伸ばしていくことは困難です。
逆に
「自分のニーズさえはっきりわからないお客様達が、今何を欲しているのか?」
それを正確に探り当てられ、事前に提案できるビジネスは伸びやすいです。
大事なのは、どうしたらお客様のニーズを正確に探れ当てられるのか?
その手段は様々ありますが、一番代表的なのは
「販売データから読み取る」
です。
例えば 「この時期に、なぜこれが売れたのか?」
また、 「この時間帯に、なぜこれがいくつも売れたのか?」
こういった疑問から仮説が生まれます。
「ひょっとしてお客様はこういう時には、こういう事を考えているのではないだろうか?」
そして実行です。
「だったら今度はこうしてみた」
「さて、・・・どうなった?」
その結果を受けて
「あれ?・・・違うのか」
もしくは
「やっぱりか! だったらこうしたらもっと売れるのでは?」
となっていきます。
つまり私が何をいいたいのか?と言いますと、
社内のマネジメント面も同じように、この会社で働きたいという人を増やしていきたいのであれば、
社員やスタッフ達が今、何を欲しているのか?
会社としてそれが分かる形をとれているでしょうか?
もし貴方の会社に販売データが一切無かったらいかがでしょう。
貴方はその会社の業績を上げていくことができるでしょうか?
販売データが無ければ、当てずっぽうでお客様のニーズに向き合うしかありません。
まるでギャンブルです。
会社の業績を伸ばしていくには、奇跡の連続を願うしかありません。
同じように
「この会社で働きたい」
「この店はどこが運営しているの? 私も仲間になりたい」
「この人達と一緒に働きたい」
そんな人達を増やしていくには、当てずっぽうのままではいけないということです。
会社は「ここで働きたい」と考えている人達のニーズを正確に探り当てられる形になっていなければなりません。
ニーズを探る手段が充実していれば、事前に高い精度で察知することができ、
「今、お客様が欲しているのはこれではないですか?」
と提案できます。
それが当たっていますと、お客様は
「そうそうそう」
「こういうのが欲しかったんです」
「わかってるよね〜このお店は」
となっていただけます。
実際に「ここで働きたい」と多くの人達から選ばれる会社の社長は
「自社で働きたいと願うターゲット層が、どういう習性なのか?」
よくわかっています。
なぜなら、社員やスタッフ達が今何を欲しているのか?
会社として、それが分かる形をとれているからです。
そうなっているからこそ、仮説と実行、検証を繰り返すことができるのです。
最初のうちは
「この店、何か変な事始めたぞ」
「おかしな会社だ」
「誰がそんなの望んでいるの?」
しかし、やがては
「これはいいよね」
「やります」
「私も」 「僕も」
ニーズを当てられる確率が高くなっていき、外すことが少なくなっていきます。
お客様を増やしていきたい商売も、
働きたい人を増やしていきたいマネジメントも、
必要なのは
「ターゲットのニーズを探り当てられる形」
になっていること。
そしてそれを活用し
「ターゲットが今、何を欲しているのか?」
がわかるようになっている。
これは必須なのです。
