今週のマネジメント 第530号 賛同者が一人もいなくなってしまった時、D社長はどうしたのか

「それでも数人は必死にやってくれていますから」
ある社長がおっしゃいました。
チャレンジしている目標が高すぎたからか、社内に漂っているのは諦めムード。
しかし、うまくいくはずだ。
前向きに捉えたいところです。
ここで社長がおさえておかなければならないポイントがあります。
それは
「なぜ今、賛同してくれている人がいるのか。」
日本人の私達は小さい頃から
「違ったことをしてはならない」
「皆と足並みを揃えなさい」
と育てられてきました。
よって、人と違う事ができる人はそんなにいません。
そこで不思議となるのは会社の社長のような、違う事ができるリーダーが現れる事。
そのため私は初めてお会いした方には、そういった背景を聞くことがあります。
きっかけとして多いのは「ここで自分が前にでなければならないのでは?」と動いたからというケース。
私は根っからのリーダー気質なんですという人よりも、本当は引っ込み思案でしたけど、徐々に変わっていったんですという人の方が多いのです。
社長としてどっしりと構えているように見えてはいても、実は心配性という方はけっこういらっしゃいます。
またリーダーが次の目標を指示し、何かを成し遂げようとしている時には「もしかしたらとんでもない失敗をしてしまうのではないか」といったプレッシャーは常につきまとうものですから、たった数人でもリーダーの意見に賛同してくれる人がいると心強いものです。
その点、店舗型のビジネスは恵まれています。
他のビジネスと違って、働く人が多くなる特徴があるからです。
社員やスタッフ達の中には気遣いに長けている人もいます。
そんな人達は社長が不安を感じていると、いち早く気がついて「何とか力になれないか」と動いてくれることでしょう。
さて、ここまでで「危険な兆候」にお気づきの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それは
「社長に賛同してくれている人達は、社長が目指す次なる一手がうまくいくだろうから賛同してくれているとは言い切れない」
という事です。
未来がどうなるか、それは誰にもわかりません。
「社長の一手はきっとうまくいく」と捉えてくれている人が多ければ多いほど、成功確率は高いかもしれません。
しかし、それがもし違っていて、実はただ単に社長の一手がうまくいくかどうかはわからないけど、社長の力になりたいから賛同してくれているとしたら・・・?
ここで私は高い目標にチャレンジされている社長にお伝えしておきたい事があります。
それは
うまくいく一手ほど、賛同者は少なくなる。
今から1年ほど前、D社長がおっしゃいました。
「伊東さん、今、久しぶりに孤軍奮闘中です」
発言内容の割にはなぜか嬉しそうな社長。
数カ月後、社長は見事に会社の業績(利益)を倍増させられました。
一体なぜ社長はまだ結果がどうなるかわからない時、しかも社内で賛同してくれる人は一人もいない状態だったのに、嬉しそうにされていたのか。
それは別に社長が精神的苦痛を快感に変えられる人だったからではありません。
大きな結果を出すまでの過程の苦しさを過去に体験されたことがあったからです。
D社長「0か100なんです」
ふつう「何人か賛同してくれるならうまくいくのでは?」と思いたいところです。
しかし、それは誰もが想像できる範囲の結果だけです。
それ以上のリターンが見込めるケースは違います。
賛同してくれる人はまず存在しません。
挑戦しているのはたった一人。
自分だけです。
これに耐えられる人はそういません。
だからなのか、誰も賛同してくれなくなる過酷な挑戦を多くの人は選択しようとしません。
しかし、中にはその孤立を好んで挑戦しようとするD社長のような方もいらっしゃいます。
なかにはD社長とは違って、孤立した後に大きな結果を得られた経験はまだ無く、これからはじめて立ち向かうリーダーもいらっしゃることでしょう。
もし、貴方がこれから大きなリターンを得たいと過酷な過程に進もう、もしくはすでに挑戦中なのであれば・・・。
今回お伝えしたワードが貴方のプラスになるのではないでしょうか。

