今週のマネジメント 複数店見れる店長が欲しい時に、社長が気を付けなければならない点とは?
「伊東さん、もう1店舗を任せてみたい店長がいるんですが」
「何か気を付ける点はありますか?」
ある社長から質問をいただきました。
会社の更なる飛躍を求めて、事前準備を入念にしておきたいとのことです。
同じように店舗ビジネス事業がある会社の社長には、新たな収益源が欲しいと、お探しの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな社長にお薦めの一手があります。
それは「複数店見れる店長の輩出」です。
弊社のセミナーのラインナップにもありますので、ご興味がある方はどうぞご覧ください( https://www.jcpo.jp/archives/63250 )
セミナーではその詳しい手順などをご紹介していますが、今回のコラムは、気を付けるポイントについてです。
さて、社長がいざ「複数店見れる店長が欲しい」となった時、社内初の「複数店見れる店長」その初代を誰に任せるのか?
会社の未来がかかったチャレンジを成功させるためにも、慎重に選ばなければなりません。
では、もしあなたがその企業の社長だとしたら、どんな人にお任せしたいですか?
ここで
「店長の中でNo1と言ったらあの人」といわれるエースに任せる。
「周囲からの評価もあるから問題無いだろう・・・」
そうお考えの社長もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし私がお薦めする人は、そういう人ではありません。
ではどんな人かといいますと、それは
「店長が長期間不在でも、業績を上げていける状態に持っていけるステップを明示できる人」
です。
ここで
「何が違うのか?」
「そんなの当たり前じゃないか」
と言われるかもしれません。
しかし、ポイントとなるのは「ステップを明示する」の部分です。
これは、そう簡単にできることではありません。
たとえ周囲からの評価が高い店長でさえもです。
実は店舗ビジネスにおいて、周囲から「あの店長は優秀だよね」と言われる方であっても、残念な事に中身が伴っていない方がいらっしゃいます。
だったらそれまで、どうして周囲から認められていたのか?と言いますと、厳しい表現になりますが
「気合いと根性で人を動かしてきたから」
最初は、その人の強引さと、振りかざす権力に渋々ついて行かなければならない人が現れ、やがてその人数が増えていきます。
そしていつしか「○○さんはスゴイ人・・・なんじゃないか?」「やっぱり?」というイメージが徐々に社内に定着した・・・、そんな方です。
よって、そのような人には当然、稼げるノウハウが蓄積されていない為、経営陣や、関係者に対して
「確かにその方法なら、店長がいなくてもお店は回るし、業績も上がっていくよね」
と納得が得られる合理的なステップを明示することはできません。
つまり逆に言いますと
「この店長は周りからの評価は高いけど、実力はどうなんだ?」
社長がそんな疑問を抱いたとしたら、こう求めればすぐ判別できるわけです。
「どうしたら店長が長期間不在でも、店舗は業績を上げていけるの?」
「そのステップを提出して」
さて、もし社長が、中身が伴っていない方を「複数店見れる店長」に任命してしまったらどうなってしまうのか・・・?
そこから会社の崩壊がスタートする、といっても過言ではありません。
その末路は
複数店見れる店長とは名ばかりの制度。
該当の店舗では、店長やスタッフ達は毎日、時間外労働、サービス残業が当たり前となってしまうずさんな運営状態。
現場は疲弊し、混乱の毎日。
知らぬは経営陣ばかりなり。
です。
このような状態では、ゆっくりと組織内の人間関係はズタズタに引き裂かれていきます。
たかだか一人の人選のミスが、会社全体を揺るがしかねない事態に発展してしまうのです。
よって、店舗ビジネスの経営者が「複数店見れる店長を新たに据えたい」と考えた時、
抑えるべきポイントは
・どんな人が適任なのか?
・その理由は何か?
・ただ、従業員間にある噂や評判という目の見えない情報に左右されていないか?
などです。
「稼げる人」とは、自分のノウハウをちゃんとした「見える形」にアウトプットができる人を言います。
大した実力も無いまま、周囲に認められてしまっている人はアウトプットができません。
御社はいかがですか?
社長が期待を寄せている従業員はいますか?
もしいるとしたら、その人は自らの実力を目に見える形にできる人ですか?