今週のマネジメント 第495号 残業ばかりの店長達が更に動くようになった企業。社長は何をしたのか

 「店長達の残業時間が減るたびに、ひそかに一杯やってます」

ある社長がおっしゃいました。

 

人手不足のご時世に、難しい結果を出せている理由は何か。

 

それは社長が、

 店長達が頑張れば頑張るほど会社の業績が上がるのはもちろん、自分達が楽になっていく形に変えたから。

 

一見、普通ではできない特別な事をした・・・ようにも聞こえますが、実は単に

 「社長は効率化を進めた」

と同じ事です。

 

 

会社の業績を上げていくのに効果的な手段を挙げるとすれば効率化は外せません。

 

 「より低コストで、より短期間で、どれだけ成果を上げられるか」

各企業は常にそればかり目指している、といっても大げさとは言えないのではないでしょうか。

 

ではなぜそんな当たり前の事をわざわざコラムに取り上げてまで力説するのか、ですが
その理由は

 多くの店舗型のビジネスが、効率化を目指していないから

です。

 

普通であれば

 「より低コストで、より短期間で、どれだけ成果を上げられるか」

 

しかし店舗型のビジネスによくあるケースは

 

 

さてここで「そんなわけないでしょ」と突っ込まれるところでしょうか。

 

しかし、店舗型のビジネスの経営者であれば、こんなご経験があるのではないでしょうか。

 
 ・退勤処理後に、こっそりと仕事を続けられてたり

 ・内緒で休日出勤が当たり前となっていたり  

 ・昼に勤務してたはずの人が、その日の深夜にまだ働いていたり

 ・異常な連勤、過度な残業を自慢し合っていたり

 ・良い結果を出してくれたのに、実は家に帰ってなかったことが後から発覚したり

 ・達成できなかった時の言い訳が「こんなに頑張ったんですが」ばかり

など

 

こういった状態では、頑張っている人ほど会社の業績を上げてくれますが、本人の身はどんどん削れていきます。

 

後輩達の目に映る上司や先輩達の姿は「良い結果を出せてはいるのに大変そう」です。

 

その表情には笑顔がありません。

常に疲れ気味で暗い雰囲気が漂っています。

 

はたして、これから活躍していってほしい後輩達は

 「私もあの人のようになりたい」

と、憧れてくれるのでしょうか。

 

 

なぜ根性論が定着してしまうのか。

 

ここで推測されるのは「もしかしたら社長含めた経営陣も同じように気合い、根性論至上主義だからではないか」ですが、私はこれまでそんな組織を見たことがありません。

 

実際にあるのは、経営陣は合理性を求めているのになぜか店舗では根性論が当たり前、のねじれたケースです。

 

その原因はいくつか考えられますが、掘り下げていきますと長くなってしまいますので、今回のコラムでは解決のポイントだけを述べさせていただきます。

 

もし店舗型のビジネスが、このようなねじれ状態になっていたとしたら、おすすめすることはシンプルです。

 「現場も効率化を目指す形に変える」

です。

 

他社よりも圧倒的に業績が上げていく企業に必須なのは、経営陣と社員やスタッフ達の一体感です。

理想としては社長が◯◯!と言ったら、ブレ無く全員が◯◯だ!とすぐに伝わる形になっている事です。

 

もしそこで一人でもおかしな方向を向いていたら、これは成立しません。

 

「たかが一人くらい」と言われるかもしれませんが、その一人から組織の結束は瓦解していきます。

 

それは例えば店舗において、一人だけ店長の言うことを聞かない人がいるような状況です。

 

そんな人がいると、周りの人達は余計な仕事が増えます。

 

しかし、当の本人は店長には従っていませんので、仕事も適当でいつも楽そうです。

 

そのままにしていますと

 「私もあの人のように振る舞おう」

と真似をしだす人も現れかねません。

 

 

ビジネスにおいて効率化は重要です。

それは店舗型のビジネスも例外ではありません。

 

もし一人残らず社内の全員が効率化を目指す形にできたら会社はどう変わっていくのか?

 

ある企業の社長はおっしゃいました。
 

 「我が社に初めてもう一店見れる店長が現れました!」

 
 「社員やスタッフ達は結果を出せば出すほど自分が楽になっていくからか、皆、仕事に対して前のめりです」