今週のマネジメント 第522号 「もっとシフトを増やしたい」の声が続く会社へと変わったF社のきっかけとは

 「独自性が際立ったからです。」

F社の社長が表題の理由をおっしゃいました。

 

以下は社長からです。

 

それまでは会社として独自性を出すのは正直、嫌でした。

 

「こんなおかしな会社にはついていけない」と社員やスタッフ達に捉えられてしまっては人手不足になり、各店長や店舗勤務社員達が休めなくなって、会社としてあれこれ動けなくなってしまうからです。

 

そのため、それまでとっていたスタイルは
 ・目立ったことはしない
 ・まじめに
 ・誠実に

 

社長の私がその模範となっていれば、きっとそんな社員やスタッフ達も集まってきてくれて増えていくだろうと思っていました。

 

しかし実際はそうはなりませんでした。

 

いつまでも人間関係の問題は絶えないし、運良く採用ができても今度は誰かが辞めてしまうの繰り返しでした。

 

そのため店長や社員達のシフトフォローがずっと続いてしまっていて、ずっと人手不足が続いていました。

 

会社としてどうにかしなければとも思っていましたが正直、「これだ」と思える有効な一手が見つからないままだったのです。

 

そんな折、ある事件が発生してしまいました。

 

会社としてお金の管理を失敗してしまったことです。

この件で多くの関係者に迷惑をかけてしまいました。

 

これは私の認識が甘かったのが原因ですが、

実は当時の私はこう思っていました。

 

 「他社も同じことしてるのに」

 「なんでうちだけ痛い目を見るのか」

 

あと、どうにも悔しい想いがありました。

 

それは、今まで関わろうとしてこなかった、日々頑張っていないであろう人達がその件をきっかけに、急にしゃしゃり出てきて、あれこれ指図してきたことです。

 

他人を蹴落とすという行為自体に快感を得ているのか、自らの存在感を得ようとしているのかはわかりませんが、そんな時だけ調子よく大声を上げようとする人達に、なぜ我々は頭を下げなければならないのかと。

 

その一件をきっかけに、こんな想いを抱き始めました。

 

 ・このまままじめに頑張っていっても、社員やスタッフ不足は解消されないのではないか

 ・何か失敗すると急に手のひらを返すような人達は、いくら我々がまじめにやっていても、いざという時に味方になってくれるとは限らない

 ・周りの動向や目を気にして、本音を押し殺し、辛抱、我慢していても良いことは起きないんじゃないか

 

行儀良い会社から脱却しようと思ったのはそこからです。

 

その後は色々なことに挑戦しはじめました。

 

次第に当社は

 「◯◯社がおかしなことをはじめたぞ」

 「またあの会社か」

と言われるようになりました。

 

今まではそんな声は耳にしたくないため、やりたいことがあっても我慢してたのですが、

今では、異質な目で見られる事は気にならなくなりましたし、逆に「そう言われているならOK」と安心しているほどです。

 

次にやってみたことは「社員やスタッフ達が面白いことに挑戦しやすいマネジメントの形」をつくってみたことです。

 

仕組みを作るのは大変でしたが、伊東さんにも手伝っていただきなんとかできました。

 

苦労してつくったので、すぐ効果が出てほしいところではありますが、そう簡単にいかないことはわかっていました。

 

ところが、仕組みを実装して2週間ほどしたあたりに、はじめて「もう効果が出たの?」と思えることがあったのです。

 

それは

 「シフトを増やしたい」というスタッフが現れましたと、ある店長から報告があったことです。

 

とても嬉しかったのですが、「いや、どうせたまたまだろう」と捉えて「浮かれていてはいけない」と思っていたのですが、次第にそんな報告が各店長からポツポツ挙がるようになったことでもう喜びは隠しきれません。

 

ただその後すぐ困ったことがあります。

 

それはある店長からこんな相談があったことです。

 「もうシフトに空きが無いのにシフトを増やしたいと言われてまして、何か良い方法はないでしょうか」

 

今はおかげさまでそれが続いていて人手には困っていません。

 

これからは社員やスタッフ達はもちろん、会社としてもっともっとおかしなことをしていきたい。

攻めに攻めにていきたいです。

 

だから御社がそうなったきっかけは何ですかと問われましたら

「独自性が際立ったから」

ということです。

 

世の中には成長している会社がいくつもあります。

 

そんな会社を分析しますとやっぱり

 「あんなことできるのはあの会社だけだ」

そんなおかしな会社ばかりです。

 

分析して、「うちもおかしな会社にしよう」と口にするのは簡単です。

 

ただ、いざ自社が実行に移せるかとなるとこれは全く違います。

 

「おかしな会社」を目指して動けるかどうか。

 

それが重要なのではないでしょうか。