今週のマネジメント 第527号 スタッフ不足を解消できた店舗が採用した連絡ツールとは

「社内の連絡は何を使ってますか」

長年のスタッフ不足を解消でき、成長軌道に載った会社の社長がその質問に応えました。

 

その返答を聞いて「意外だ」とおっしゃったのは質問した側の社長。

 
既存のサービスを使っていなかったからです。

 

世間には店舗型のビジネスにも役に立つ便利なサービスが多数存在しています。

 

昔は連絡用のデジタルツールといえばEメールくらいで、他の手段はほとんどありませんでした。

 

しかし今はSNSのようなタイムラグも無いリアルなやりとりができたり、複数人での情報共有も簡単で、プロジェクトの進捗確認などにも使えたりするアプリが多数存在します。

 

よって「我が社ではこの一般の人向けのアプリをビジネスシーンで使用している」といったところもあるでしょう。

 

私に特段これは店舗型のビジネスにて使うべきではない、といったことはありません。

社長がこうしていきたいという願いを実現してくれるツールを選択できれば、十分に役に立つからです。

 

しかしどこよりも人の力で成長していきたいとしたら話は違います。

 「人の力を最大限に活かし、会社を成長させていきたい」

そんな社長が抑えておくべきポイントがあります。

 

それは

 他人から与えられた選択肢で、最高の結果は得られない

 

 

ある会社の事例です。

会社の特徴は、店舗で得られる利益が他社平均の4〜5倍以上と飛び抜けていて、創業から30年目となった今でもその高収益体制は継続されている点です。

 

かつて社長にこんな質問をしてみました。

「高収益の理由を一つだけ挙げて下さいと言ったら何を挙げますか」

 

A社長はこうおっしゃいました。

 「立地です」

 

これだけを聞きますと、はいはい運が良かったんですね、と言われるところでしょうか。

 

商売において立地ほど重要な要素はありませんが、問題なのは良い立地はまず手に入らないという点です。

 

誰もが「ここは売れるぞ」と思われている立地条件では高額になりますし、「店を出してみたら実は好立地だった」という形を狙おうとしても、それができたら誰も苦労しません。

 

店舗の立地による良し悪しは狙って出しにくいものです。

運良く実は好立地だったということが後からわかっても、その収益差は2〜3倍を出せれば良い方ではないでしょうか。

 

ではA社長はどうしたのか。

 

それは「好立地を自力で探し当てた」です。

 

別に社長は人一倍、商売の立地に詳しい人だったわけではありません。

 

社長が特別だったのは、この商売における「立地」という魔物のせいで何年も苦労してこられた方だからでした。

 

商売を始めた当時はよく考えもせず、他人に勧められた立地にお店を構えたのですが、いざオープンしてみるとほとんどお客様が入らず、十分な利益が得られなかったのです。

 

しかし当たり前ですが、そんな立地を勧めた会社に文句を言っても何ともなりません。

 

 「こんな思いはもう二度としたくない」

 

A社長が決心したのは

 「がんばってお金を貯めて、さっさと別の地域に出店しよう」

 

何年も我慢を重ね、やっと元手を手にした社長。

 

次の出店候補となる立地は自力で探し、何度もその場に赴いてはずっと統計を取り続けたとのことでした。

 

苦労した時期に「どんな立地にお店を建てれば私の商売は良い結果が得られるのだろうか」

 

あれこれ考えては今の店舗で実験できることは何でも試し、失敗を繰り返してきたからこそ、社長に備わったのは、自分の商売だけに限定される力ではありますが、プロにも勝る立地選定眼ではないでしょうか。 

 

 

他人から与えられた選択肢は、そのほとんどが提示した側が有利になるように作られています。

 

後々振り返ってみたら「自分だけが良い選択ができていたな」と周りを見て喜んでいても、
実は選択を提示した側が誰よりも大きな成果を得られていた、はあり得ることです。

 

ビジネスをしていれば他社、他人から数々の選択を提示されることの連続です。

 

しかし、片っぱしから拒否し続けていてはビジネスを継続していくことは困難です。

 

重要なのは、その選択の連続の中に「ここぞ」という重要なタイミングを見極めること。

 

そして、その時に

 ・本当にその選択肢の中にベストはあるのか

 ・もし無かった場合、自分はどう動くべきなのか

今回挙げた、社長が押さえておくべきポイントが生きてくるのではないでしょうか。