今週のマネジメント 社員やスタッフから画期的な案や挑戦が発生し続け、結果につなげられていない企業は異常
8月はかき入れ時だった。
今まで積み重ねてきた過程が合ってたのか?間違ってたのか?
コロナが再燃している時期の舵取りも含めた結果が判明し、
その後の経営の方向性を決めなければならない重要な時期でもある。
というチェーン企業は多い事でしょう。
そんな節目に多くなるご相談があります。
それは 「本気を引き出せなかった」
A社もそんな企業の一つで
「業績が伸ばせなかった」
「誰もが本気で仕事をしていた・・・とは言えない」
「人材流出も増えて、いくつかの店舗では慢性的な人手不足状態が続いている」
「自分が社長に就任してから間もない時。数字を上げていきたいところなのに」
「何が原因なのか?」
「おそらく『人』『マネジメント』に関するところではないか?とは踏んでるんですが・・・」
ここまでのやりとりで
「A社はブラック企業のようなことをやってきたからでは?」
とご想像される方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、A社の社長は
「超ホワイト」を目指してやってきた。
「働きやすさ業界No1を目指し、積み上げてきてます」
と言い切るほど。
では一体、どんなことをされてきたのか?
お応えになった内容に私は違和感を感じた為、質問してみました。
「御社には、会社の業績を大きく前進させられるほどの画期的なアイディアやチャレンジが
ある日、ポッと誰かから生まれても、結果にまで結び付けられる工夫がありますか?」
ここで一番多い反応は
「工夫はありますよ」
そして
「当社は常に『自由にやってみろ!』と言っている」
「誰もチャレンジは止めない」
「思い切りやれ」
「結果はきちんと評価もするし、昇進につながることもあるぞ!」
など、熱く伝え続けているなどです。
そしてA社も同じようなご返答でした。
しかし、それが結果に都度結びついているのか?が重要で
「直近でどんな事例がありましたか?」
「数字は大きく伸ばせましたか?」
とお尋ねしてみたところ
「それは・・・・特には・・・ありません」
これでは「工夫」というより「口だけ」になってしまっています。
「原因はそれです」
「結果にまで結び付けられていないからです」
例えば飲食店における食中毒対策。
社内の誰から食中毒につながるような行為が発生したとしても、
お客様の口に入るまでのルートの中で、どの企業も
「ほぼ自動的に発見され、除去されるような幾重もの防衛策」が必ず設置されています。
「もし防衛策が全く存在せず、一人一人に対して『食中毒は絶対に出すんじゃない』と口だけの企業があったらどうなるでしょうか?」
社長は
「それは・・・その企業で食中毒者が出ちゃうのは時間の問題でしょう」
おっしゃる通りで、口だけではうまくいかないということ。
働いているのは「人」です。
人はエラー、ミス、間違いを出してしまうものです。
だからこそ各社は対策に莫大なコストと時間をかけているわけです。
しかし、問題なのはその逆のことです。
人は画期的な案を出せるし、大きな成果につながる挑戦もするものです。
残念なことに、それを考えてない企業が多いのです。
つまり
「人はミスはするけど、画期的なこともできない」
と思われているということ。
このような経営を続けていますと、
いくら職場が働きやすい環境だったとしても「人」を否定していることになります。
いつしか
「君達はロボットだ」
「言われたことだけをきちんとやりなさい」
そういったことを直接発言していなかったとしても、勝手にニュアンスは伝わっていくもので
「やりがいが無いな」
「つまんない会社だな」
などの不満につながっていっていきます。
ちなみに
工夫は施しているけど、なかなか芽が出てこない・・・など空振り続きの企業も同じ事です。
このような結末に陥ってしまいます。
「なるほど『何としてでも結果にまで結び付ける』ということですか」
「おっしゃる通りです」
ちなみに
食中毒対策のようにこのプラス面の分野に対しても、幾重もの策を施されている企業は
・日々、働く人達から生まれてくるチャンスを、漏らすことなく成果に結び付けられ
・「よくやってくれた!」「君のおかげだ」などの感謝が生まれ
それが働く人達の次の活力に直結し続けています。
チェーン企業の最強の武器は「働く人達の数」です。
これができているか、できていないかで企業の数値結果は大きく変わってしまいます。