今週のマネジメント 第510号 小さな事まで徹底してもらいたい社長を満足させた仕組みとは?

「直接指示しなくてもいい、というところがいいんです」
ある社長がおっしゃいました。
ありがたいことに弊社ピアーズの店舗型のビジネスのマネジメントの仕組みに対していただいたお言葉です。
当初、社長は違ったニュアンスで捉えられていました。
それは 「皆が社長の指示通りに動いてくれる仕組み」
しかし、実際はそうではありません。
正しくは「皆が社長の方針に沿って動いてくれる仕組み」です。
これは似ているようで違います。
大きな違いを1つ挙げますと、それは
「社長の想像を超える結果を出してくれるようになっていけるかどうか」
一見、皆が社長の指示通りに動いてくれるならそれに越したことはないかもしれません。
しかし、社員やスタッフ達に直接アクションを指示するという事は
「ここまでやれればいいんだよ」
と、ゴールを決めてしまうことになってしまいます。
これはお薦めしていません。
なぜならゴールに到達しようとしてくれる人を育てる事はできますが、更にそのゴールを越えようとする人は少なくなってしまうからです。
社長が欲しい社員、スタッフとは
・言われた通りできる人でしょうか
それとも
・言われた以上の結果を出してくる人でしょうか
もし店舗型のビジネスのマネジメント面の仕組み化したいのであれば、社長が細かい事まで指示すればそう動いてもらえる形ではなく
「そこまでやってくれたの?」
となるような、社長の方針に沿った結果を出してくれる形にすべきです。
その理由は、店舗型のビジネスでは社員はもちろん店舗で働くスタッフ達を含めれば、他のビジネスよりも働く人が多くなるからで、そのアドバンテージを活かして差をつけていくことができるからです。
社長はおっしゃいました。
「私がしてほしい接客は、一言で言えば『丁寧』です」
社長は過去の社員時代、1日1,500人以上がいらっしゃる店舗のレジを担当していた時期がありました。
異例の5台まで増設したレジなのに、ピークタイムには長い行列ができていたほど。
肩身が狭かったのはまだ慣れていなかった時。
社長が担当するレジだけ回転が遅く、一秒でも早くお会計をしてもらいたく並んでいるお客様からは「この列はハズレだった」と突き刺さる視線。
どうしたらもっと早くできるのか?
スピードを求めていた社長が参考にしていたのは、隣のレジにいた自分の親くらいの年齢の女性スタッフKさん。
不思議なことに彼女はレジの対応が早いのに、雑さが無く他のスタッフ達に比べてとても親切で丁寧。
「スピードと丁寧さは両立できるものなのか?」
それまで何人もの人を見てきた社長。
きっと、たまたまそう見えただけ。
この人にもどこか雑さはあるはず。
ところが数カ月経っても彼女は丁寧。
しかも上品で親切。
オンはもちろん仕事が終わって他の人とプライベートの話をしている時でさえも。
「こんな人が本当に存在するんだ」
「我が社の社員やスタッフ達はKさんのようにあるべきだ」
人にはそれぞれ長所があります。
それは時に、想像がつかないほどぶっ飛んでるケースもあれば、地味だけど・・・なんとなくだけど凄いかも、というケースもあり様々です。
店舗型のビジネスのように人が要となるビジネスの有利な点をどう活かすべきかと経営者が考えた時「皆にはここまでやってもらいたいんだ」とゴールを決めつけていては、会社組織として想像以上の結果を出していくことはできません。
大事なのは
・経営者の想像もつかないような、働いている人達の個性や長所をいかに伸ばせるか
そして
・いかに社長の手をかけずとも、皆が方針に沿って自力でステップアップしていってもらえるのか
この2つの要素は両立する事が可能だということ。
「人が重要」
「働いている人達にはどんどん活躍していってほしい」
そんなお考えの社長にこそ、弊社ピアーズのマネジメントの仕組みを活用してもらいたいものです。

