今週のマネジメント 第514号 残業漬けの店長が複数のお店を見れるようになった際、必要な労働力をどこから捻出したのか

「複数店見れる店長を育てるには、新たに投資が必要なんですよね」
ある社長から質問でした。
回答は「いいえ」
なぜなら、弊社ピアーズがお手伝いしている仕組みの特徴が「既存のスタッフがよい動きをするように変わる」だからです。
店舗型のビジネス経営者が、複数の店舗を見れる店長を育てていこうとした際、持っておくべき視点があります。
それは「人手が足りないのは本当なのか」
どういうことかと言いますと、当社は人手不足だと思っていたが、よく調べてみたら総合的な労働力が足りていないわけではなく、十分な労働力はすでに社内にあるのに、単に働いている人達の本気を引き出せていないだけだった、というケースが多いからです。
社長はそこを正しく見極めなければなりません。
なぜなら社員やスタッフ達は「手を抜いている人達をどうやって戦力化しようか」という選択肢を諦め「頑張ってくれる人達だけを補充してほしい」と、要求してくることがあるからです。
危ないのは社長がその真偽を見極める前に、人手不足対策を打ってしまうこと。
その理由は、運良く頑張ってくれる人達を採用できたとしても、その店舗、または部署は手を抜いている人達が多くいる状態だからです。
果たして日々限界まで頑張っている人が、ふと周りを見たら楽そうにしてたり、おしゃべりしている人達がいるとしたら、
「それでも頑張ろう」
と、続けてくれるのでしょうか?
店舗型のビジネスにおいて重要なのは「本気を出していない人達をいかにその気にさせられるか」
この課題解決を後回しにしていたままでは、会社に良い人材が増えていくことはありません。
会社本部はもちろん、各店舗でも全員が本気を出し続けてくれるようになる工夫が必須なのです。
私はたまにこんな質問を社長からいただくことがあります。
Q:伊東さんは元から店舗組織はそうなりやすいと予測していて、仕組みをつくられたのか
正直言いますと、そうではありません。
私も当初は「もっと働く人が多ければ店舗がうまく回るだろう」と思っていましたし、「頑張ってくれる人達だけを増やしていけば手を抜いている人達はいなくなるだろう」とも考えていました。
しかし現実は違っていました。
自分がもう倒れるかもしれない、それでもやらなければと思っていた時、なぜか一部のスタッフ達は暇そうに、楽そうにしていたことに疑問を抱いていました。
「何かがおかしい」
この問題を何とかしなければと、あの手この手をうち続けていて、
ある日ふと気がついたのです。
「あれ?」
「勤務時間はまだまだあるのに、やる事が無くなってしまった」
そうなった理由はもちろん全員が本気を出して働き始めたからです。
それから順調になったかといいますと、そうではありませんでした。
なんと今度は今までとは全く別の敵、「暇」との戦いだったのです。
同じチェーンの他店の店長達は残業の毎日で疲れた顔をしているのに、自分だけはあまりにも余裕がありすぎて
「もう1店私が見れますよ」
とお願いしたほどです。
つまり私は、はじめから未来を予測し計算した上で仕組みを生み出したのではなく「なぜうまくいかないのか」「どうしたら誰もが本気を出してくれるようになるのか」あれこれ原因を探って手をうっていたら、いつのまにかマネジメントの仕組みを作ることができていた、ということです。
これについては弊社の各セミナー( https://pearze.jp/seminar_lp/ )にて詳しく述べています。どうぞ御覧ください。
お店がうまくまわらないのは人がいないからだ。
お店が動こうとしないのは、労働力不足だからだ。
はたしてそれは本当なのでしょうか。
もしこのコラムをご覧の方が、このような疑問を持っていたとしたら、まずはじっくりと社内を調査することをお薦めします。

