今週のマネジメント 店長は大変なのか?
「君が店長? 頑張れ頑張れ!」
「現場に訪れた経営トップがそんな声をかけてましたけど、それを見て思わず笑ってしまいましたよ。」
「伊東さんも見ましたか?」
先日、とあるテレビ番組を見た某チェーン企業のS社長が電話越しにおっしゃっていました。
残念ながら私は見ていなかったので、S社長に詳しくお伺いしたところ
案の定、その会社は業績が良い状態ではないとのことでした。
「やっぱりですか」
「コロナ禍であっても、マネジメント面が確立していたらそんな声かけはしないですよね」
「そうですよ。まるで1年前の私みたいですよ」
「その会社は 店長=大変な職務 という位置づけなんでしょうね」
S社長は今では、人と組織のマネジメントシステムを確立し、利益倍増が実現できている立場です。
テレビ番組中の、そのたった一言の違和感に気が付いたご様子でした。
チェーン企業を経営している中、現在得られている利益額に疑問を抱いている経営者には
「店長=大変」
というお考えの方が多いです。
そして、その為の対策として多いのは
「だから店長の待遇は他社よりも手厚くしている」
といった形です。
理想としては、各店長は
「この会社は待遇が良いな」
「もっと頑張るぞ~」
と、どんどん業績を上げていってもらいたいところです。
しかし残念なことに現実は
「店長は大変なんだから、このくらいの待遇はあって当然でしょ」
という捉えられ方が多く、業績も上がっていかずコストばかりかかってしまっている。
という現状の企業が多いのも事実です。
そんな「店長=大変」というお考えの経営者から、私が相談を受けた場合
「私自身、いくつかの組織のリーダーを実際に勤めて来たので、素人目線ではないという前提でこの質問をします。」
「どうして『店長は大変』とお考えなんですか?」
ほとんどの方はこの質問だけで、深くお考えになり
しばらく時間をおいてからお気づきになられます。
たまに「この伊東ってヤツは何にもわかってないな」という反応を示され距離を取られることもありますが・・・
しかし、自分はなぜ「店長=大変」と考えてしまっていたのか?
「本当にそうなのか?」・・・・と再度見つめ直す経営者もいらっしゃいます。
おそらく、そこらへんを歩く一般の方に
「チェーン企業の店長という職務にどんなイメージがありますか?」
とインタビューしたら、きっと
「・・・・大変?・・・」
とお答えになる方が多いでしょう。
しかし、危ないのは経営者自身に「店長=大変」という意識がありますと
その考えの中だけで対策を練ろうとしてしまい、時間とコストばかり浪費していき
いつまでも利益を上げることができなくなってしまう悪循環に陥ってしまいます。
チェーン事業を経営していく際に
・世間一般に「チェーン店の店長は大変」と刷り込まれてしまっているイメージのまま進めて行くのか?
・現場のリーダーとは、本来どうあるべきなのか? と根本から考え直すのか?
ひとつ言える事は
他社よりも大きく業績を伸ばせていける企業は、他とは違う考え方を持っているということです。