今週のマネジメント リーダーの報酬を上げる事に後ろめたさを感じているうちは従業員を幸せにできない

 「伊東さん、自分の報酬を上げる際に気を付ける点はありますか?」

ある社長がおっしゃいました。

ここで言う報酬とはリーダーの報酬のことで、社長であれば役員報酬がそれに当たります。そして「気を付ける点」とはマネジメント面への影響の事です。

リーダーの報酬はいくら社内秘にしていたとしても情報流出を100%防げるか?となると難しいものです。どんな企業であっても、いずれ社内に知れ渡ってしまうのは時間の問題と言えるものかもしれません。

 

この質問に対しての私は一概に「コレです」といったお決まりの返答はありません。

何故なら社長がどんな会社にしたいのか?で全然違ってくるからです。

私は経営をどうこう指導するコンサルタントではなく、マネジメントの仕組みづくりのお手伝いをするコンサルタントですので、トップがどんな方針を取っていたとしても基本的に賛同し、それにベストなコンサルティングを行っているからです。

 

ただ問題なのは「こんな組織にしたい」というイメージに沿わない、報酬への考え方を持っている方がいらっしゃることです。

それはどういう方か?といいますと

 「リーダーの報酬を上げ過ぎたら従業員に反感を持たれるのでは?」

と後ろめたさを感じている方です。

さて、その人の組織は「いつまでも誰も出世できず、上下の入れ替わりはまず無い固定型の組織なのか?」

そんな質問をしてみますと、それに対する返答が「ハイ、そうです」なら、後ろめたさを感じる理由もよくわかるのですが、意外な事にこんな返答が多いのです。

 「いえ、そんなことはありません」

 「年功序列型ではなく実力主義ですから」

 

つまり組織のリーダーは、「我が組織は実力主義だ!」というお考えなのに、そこのメンバーには「この組織はいつまでも出世できない固定式の組織なんだ」「我々はいつまでも指導される側の身だ」と思われていることを自覚しているというケースです。

これはハッキリ言ってつじつまがあっていません。

こういったズレを放っておくと非常に危険です。そこから負のスパイラルは発生します。

それは頑張っても評価されない、出世できないと思われている → 手抜き、不正が増える → 各組織のリーダーや優秀なメンバーにそのしわ寄せが行く → 欲しい人材が長続きしない → 業績は下降していく 

つまり、リーダーの報酬を上げることを堂々とできず、後ろめたさを感じているということは、従業員達に「私達にも高い報酬を得られるチャンスがあるぞ!」と感じてもらえていないから、という不安の表れなのです。

 

それとは逆にリーダーの報酬をためらいもなく、堂々とUPできる方がいらっしゃいます。その理由は「君達にもこんな大きなチャンスが待ってるんだ。ぜひ掴み取ってくれ!」という意識があるからです。

 

どの企業も業績は常に変化します。それによって働く人達の報酬も変える必要がでてくることでしょう。

重要なのは、組織のリーダーが「自身の報酬を上げたい」と思った時、なんのためらいもなく、そして堂々と上げられるか? ということです。

 

もし「自身の報酬を上げる」という行為に後ろめたさを感じている方がいらっしゃるのであれば「先にやるべきこと」があるのではないでしょうか?