今週のマネジメント チェーン企業各社が簡単にマネジメント面に踏み込めない理由
「日々もうマネジメントの事で悩みたくない」
そんな思いを抱き、チェーン事業の利益倍増を目指す経営者Sさんが
「伊東さん、もしかして私のような経営者はたくさんいるんじゃないですか?」
「もしそうなら、他社よりも利益を圧倒的に得続けることはできないのではないでしょうか?」
「そんなことはありません。」
「S社長のように行動にまで移せる方は稀ですよ」
「そうなんですか?」
「チェーン企業は構造上、マネジメント面には欠陥が多いですから」
ほとんどのチェーン企業は
・日々もうマネジメントの事で悩みたくない
・チェーン事業で振り回されたくない、逆に会社のドル箱事業にしたい
・どんぐりの背比べは嫌だ、常に他社に圧倒的な差をつけていたい
などの思いを抱いていることでしょう。
「しかし、マネジメント面を改革しよう・・・と実行まで移せるか?が問題です。」
「なぜなら、チェーン事業は一般的な企業と比べて性質上、マネジメント面には高い壁あるからです。」
「チェーン事業だけが特別違うものなんですか?」
「そうです。」
「チェーン事業はマネジメント面で失敗した時、一般的な企業と比べて、簡単にやり直しがきかないからです。」
「なぜならマネジメントのターゲットが大人数だから。」
一般的な企業が2~3人、あるいは5~6人マネジメントを行った場合とは全く違います。
一般的な企業がもしマネジメント面を改革しようと失敗してしまったら
「ごめんごめん、今のは忘れてくれ」
「こっちの方向で行こう。すまんね」
でなんとか済むことでしょう。
しかし、チェーン事業はそのターゲットが何十人、企業によっては百人、千人単位です。
問題なのはこの人数です。
失敗してしまうと
「誰だこんなこと考えたヤツは?」
「全くだ、全然仕事がやりにくくなったじゃないか!」
「そうだ そうだ!」
など、「飛び火」の可能性が出てくるということです。
「ごめんごめん」で済まされません。
しかし、愛想をつかされるで済めばまだいい方で
場合によっては
「こんな会社ではやっていけない」
「辞めます」
「じゃあ私も」
など一斉退職という可能性もあり得る事でしょう。
もしもそうなってしまったらチェーン事業なのに
経営者が一人で会社をまわさなければならなくなります。
これはもう死亡確定です。
チェーン経営者はなんとしてもこんな結末は避けたいところ
そこで
「そうはなりたくない・・・」
と防衛本能が勝ってしまい
「マネジメント面に、真正面から改革するのは怖い」
「それよりも、日々の仕事をコツコツこなそう」
という選択肢を選んでしまいがちです。
このように利益を大きく上げたいとは考えていたものの
でもしかし・・・とマネジメント面から背を向けてしまう企業が多いんです。
当然、数年経っても他社よりも圧倒的な利益を得る状態にはいつまで経ってもなりません。
「それを聞いて安心しましたよ やるぞ!」
S社長はライバルが少ないステージで、燃え上がるタイプのご様子です。
失敗した時に恐ろしい結末が待っていようとも、今より良くしたいと正面から立ち向かうのか?
もしくは、迂回路がどこかにあるんじゃないか?と探し続けるのか?
チェーン企業が得られる業績の差はここから開いていきます。