今週のマネジメント 数字UPにこだわり続ける人が増えていかない理由

私が初めて一部の売場の任された時は嬉しくてしょうがなかったんですよ?

 「誰にも思いつかなかった売場を作って、思いっきり数字を上げてやろう」

 「『一体こんな凄い売場は誰が創ったんだ?』と言われたい」

だから、ああでもない、こうでもないと私は四六時中売場にかじりついていました。

 

少しでも商品が売れたら

 「いつ売れたんだ?」

 「何個売れたんだ?」

 「どんな人が買って行ったんだ?」

 「用途、目的は何だろうか?」

常に売れた理由が気になっていて、商品補充もその都度していました。

 

 「ところが今、こんな考えの社員、スタッフがほとんどいないんですよ!」

 「たまに現場を見てみると、売り場はグチャグチャ」

 「売れて穴だらけになってもおかまいなし」

 「まるでロボットのように、補充、陳列の時間がきたら実施するだけ」

 

 「そうじゃないぞ!」

 「売場は、ただ並べるだけの倉庫の棚じゃない!」

 「お客様にお披露目できるステージなんだ!」

など、いくら強く言い続けて10年以上経っても全く伝わらない。

 

言った通りに動いてくれる人達はせいぜい1~2割。

 「会社は8~9割の人達がそうなってほしいのに・・・」

 「伊東さん、そんなヤル気が溢れる人達が多くなる状態にするには何かコツがあるんでしょうか?」

こんなご相談がありました。

 

まず私が気になったのは

売り場に拘れる職場環境になっているかどうか?

 

そのことを社長に質問してみたところ

 「職場環境ですか?」

「ハイ、例えば各組織(店舗)ごとのリーダーがマネジメント面に課題を抱えていると

 それだけで各担当者は売場に拘ることは難しくなりますから」 

 

例えば

 ・いくら指示しても返事だけで行動してくれないスタッフが何人もいる

  どうしたら行動まで伴ってくれるようになるだろうか?

  方法がわからないままだと、全ての業務が中途半端となってしまい

   「誰だこんないい加減な仕事をしているのは?」と

  その補完ばかりに時間を取られて、売場に拘る時間がとれなくなります。

 

 ・シフトに穴が空いた際に、誰も入ってくれない・・・

  本当は「今週は私が代わりますよ」「じゃあ来週は私が出ます!」・・・となってほしいのに

  「仕方がないから、いつも入ってくれるスタッフに頼み込んでいる」という場合

  その人が売場づくりがいい加減だったら

  「違うでしょ」

  「もっとこうしなきゃ!」

  などと、マネジメントがしづらくなります。

 

 ・「スタッフの先輩として売場づくりに集中したい」

  しかし他のスタッフがヘラヘラ楽そうに仕事をしている。

  社員はシフトフォローばかりだから誰もマネジメントしてくれない。

  彼らはますます楽してばかり・・・

  「どうして私は人の倍は動いているのに、彼らは楽そうにしてられるのか!」などの怒りを抱えていた場合

  その人は売場に力を入れるどころじゃなくなってしまいます。

 

もちろん、各組織(店舗)ごとのリーダーがマネジメント面に課題を抱えている以外にも

数値UPの為の売場づくりに集中できる環境の邪魔となる障害はいくつも挙げられます。

 

「数値UPに拘る人を増やしていきたいのであれば

 まずはそういった障害が少ない環境になるように、チェーン本部として何かしらの手を打つ必要があります。」

 

ご相談いただいた方は

思い当たる節があります。

早速職場環境の分析、整備をしてみます。

とおっしゃっていました。

 

「ヤル気がある人が増えていかない」と感じた場合、多くのチェーン企業は

 ・どうしたらもっと個人個人がヤル気を出してくれるのか?

に注目しがちですが

その前に

 ・売場に拘れる職場環境が整備されているかどうか?

を先に確認すべきです。

 

業績を伸ばせて行けるチェーン企業は、まずここに着目し、的確な手をすでに打てています。