今週のマネジメント 第477号 周りの遅さにイライラしてしまう人は、おかしいのか?

 「伊東さん、私はもう我慢するのはやめました」

自分はせっかちだと認める、ある社長が嬉しそうにおっしゃいました。

 

世間では

 「順番を守りましょう」

 「譲ってあげましょう」

 「他の人のペースに合わせましょう」

といった風潮があります。

 

そのためか、社長は周りの人達の行動が遅いせいで待たされる度に不満を感じていたのですが、不満を持ってしまう自分の方がおかしいからだと捉えて、これまでずっと感情を抑えこんでいたのでした。

 

なぜ、長年我慢していたことをやめられたのか?

 

それは「社内の誰もが本気を出したくなる仕組み」を構築したからです。

 

弊社では、クライアント企業に「誰もが本気を出したくなる仕組み」構築のお手伝いをしています。

仕組みは、あらかじめ弊社が用意していて、それを活用するようにと押し付けているわけではありません。

それでは会社独自の強みが引き出せなくなってしまうからです。

 

クライアント企業の強みを100%引き出すために一番良い方法は、社長ご自身が0から仕組みをお創りになることで、そこで重要となるのが「自分らしさ」です。

 

 

人にはそれぞれ自分らしさがあります。

 ・一挙手一投足全てが模範となるような真っすぐな方もいれば

 ・思ったことはすぐに口に出してしまう方

 ・落ち込んでしまうこと、嫌なことや自分の失敗さえも笑いに変えられる方や

 ・あれこれ考えるより、とにかくやってみるという行動派

など。

 

ここで

 「それがビジネスと何の関係があるの?」

 「むしろそんな成分を取り入れてしまったら、会社がおかしくなってしまうのでは?」

といった疑問を抱かれてしまうかもしれません。

 

しかしそれこそが重要なのです。

リーダーの「その人らしさ」は組織の強みの根幹なのです。

 

実はその中でも組織の成長に効果的なその人らしさがあります。

それが冒頭でご紹介した社長のような「せっかち」です。

 

これは特に中、小規模の店舗型のビジネス企業には相性が良く、本社本部で働く社員達はもちろん、店舗の社員やスタッフも、社長の求めるスピードで行動するようになります。

 

社内で一番客数の少ない店舗の社員やスタッフであっても、暇だからとダラダラされることはありません。

 

ところがもったいないことに社長の中には

 「社員やスタッフのためにも、自分はせっかちであってはならない」

 「長い目で見なければ」

など、せっかちな面を自ら封印している方がいらっしゃいます。

 

世間では他の人達のペースより早い人や、遅い人は異質な人とみなされる傾向がありますので、そうなってしまうのもわかります。よって「私はせっかちでいいんだ」と自己肯定すること自体が難しいことかもしれません。

 

しかし、ここで私は言いたい事があります。それは

 せっかちな貴方は、貴方自信の強みです。

 自分らしさは伸ばすべき長所であって、抑えなければならない短所ではありません。

 周りの人に引かれるくらい、自分らしさは磨き上げていくべきです。

 

 

たまにこんな言葉を耳にすることがあります。

 「うちの社長はせっかちすぎる」

 

それの何が問題なのでしょうか?

私はとても良いことだと思います。

 

そんな会社に必要なのは、社長の自重ではありません。

社長の長所をうまく社内の仕組みに取り入れることです。

 

 

自分らしさを否定することなく、もっと尖らせてやると日々伸ばそうとしている人は少ないです。

しかしそんな人達には共通点があります。

 

それは「楽しい」です。

自分らしさを肯定するということは、とても楽しいことです。

 

ビジネスに重要なのはまさにこれなのです。

リーダーはもちろん、皆が感じる「楽しさ」は無くてはならない要素なのです。

 

 

コラムをご覧のあなたはいかがでしょうか?

貴方らしさ・・・それは何ですか?

 

貴方は、貴方らしさを日々伸ばそうとしていますか?

それとも自重し続けてきていませんか?